鍼灸の効果とは?
まず始めに鍼灸がなぜ効果があるのかは、現代の科学技術では、理論的には解明されていません。おおよそこのようなメカニズムで効果が出ているのであろうと考察しており、今のところ、鍼を筋肉に刺すところをエコーで観察していると筋肉が弛緩している反応が見て取れてはいます。
しかし、それがなぜ?とういうプロセスまでは行きついていません。
鍼灸施術を行う事の作用
体は、本来自然治癒力と言う生理的な状態に回復させる作用があり、体の状態に合わせて色々な作用に分けられる
1調整作用
体に一定の刺激を与えて、本来持っている機能を調整する。
1-1興奮作用
感覚や運動麻痺のような神経機能が弱ってしまっている事に対して興奮をさせる。
1-2鎮静作用
痛みなどが強く出ていたりした時に対して、鎮静させる。
2誘導作用
鍼灸で直接辛い箇所を刺激したり、遠隔的に刺激をしたりすることで、その部分の血流量を調整したりする。
2-1患部誘導作用
辛い箇所に直接刺激する事によって健部から誘導作用が起こる。
2-2健部誘導作用
辛い箇所から離れた所を刺激する事によって辛い箇所の血流量を調整する。
3鎮痛作用
鍼灸刺激により脳内モルヒネ用物質が分泌する事により鎮痛効果がある。
4防衛作用
白血球などを増加させて、生体機能を促進させて防御能力を高める事ができる。
5免疫作用
鍼灸刺激によって自律神経を介して免疫細胞などを促進させる。
6消炎作用
鍼灸施術を行う事で、白血球などが増加して、炎症など起きている箇所の改善能力を高める。
7転調作用
自律神経の不調やアレルギー体質を改善して体質を強壮する作用。
8反射作用
鍼施術の痛み作用や灸施術の熱刺激によって体の機能を亢進したり抑制したりする。
このように鍼灸には色々な体を回復させる作用があり、どの作用も体には怪我や病気などを自分自身で良くする「自然治癒力」と言った機能が備わっています。
自然治癒力とは?
自然治癒力とは、大きくわけると①恒常性の維持 ②自己防衛 ③自己再生 とこの3つがあり、
①恒常性の維持
恒常性とは体の状態を一定に保つことです。体は常に一定を保とうとする性質があります。
②自己防衛
簡単に言うと免疫の事です。体の血流を良くし、白血球を増やすことで、体全体の生体機能が活性化し、風邪などの病気になりにくくします。
③自己再生
怪我などをした時に体を元の状態に戻そうとする機能です。
鍼施術では、一定の方式に従い、鍼をもって体の表面に一定部位に、接触や穿刺刺入し、生体に一定の機械的刺激を与え、それによって起こる効果的な生体反応を利用し、自然治癒力を言う生体機能の変調を矯正し、病気の予防などにつながっていると考えられております。
お灸に関しても、艾やそれに代わるものを用いて燃焼させ、体の表面の一定部位に温熱刺激をあたえることで、鍼とは違った角度で、自然治癒力の回復につながると考えられております。
まとめとして
鍼灸での効果は老若男女どの様な人でも対応できます。よく問い合わせで「鍼灸が自分の今の辛さなどに合っているのか?良くなるのか?」と聞かれることがあります。実際その方を診ないとわからない事があります。効果には個人差があるので、性別や体格、体質、性格など同じ施術を行ったとしても効果の出方は違ってきます。
また効果の出方も、痩せてる人、太っている人、刺激に過敏な人、鈍感な人、効果もすぐに出る人、なかなか出にくい人、効果も早くでるには越した事はありませんが、早く出たからと言って良いと言うわけでもありません。
ダイエットをイメージしていただくと急激なダイエットはリバウンドをしやすいです。
鍼灸施術も効果が早くでると効果も長く続きにくくなります。施術を続けていく事によって体の自然治癒力が本来の力を取り戻してくるので、それで体の反応も変わってきます。
効果の出方はその方それぞれですが、完治は難しい症状だったとしても変化は必ず出てきますので、諦めずに継続した施術を行っていきましょう。